2026 年 9 月 16 日 スモールビジネスの道具箱 Mirais チーム 読了 約 3 分

上手な文章は、要りません。「あなたの声がする文章」の話。

この記事の目次

万年筆で、紙のノートに文章を書いている手元

こんにちは、桜井です。

連載の第8回。今回は道具そのものではなく、すべての道具に流れる血の話をします。言葉です。

この連載を読みながら、こう感じていた方はいませんか。「道具の話は分かった。でも、結局どれも文章を書かなきゃいけないんでしょう。私はそれが一番苦手なの」。

はい。その通りなんです。だからこそ、最終回のひとつ手前で、この話をきちんとしておきたいのです。

どの道具も、中身は文章でできている

思い出してください。LPには売り文句が要ります。フォームにはお願いの言葉が、プロフィールには物語が、ホームページには説明が、LINEにはお知らせの文面が要る。ここまでの道具は全部、器です。文章という中身が入って、初めて働きます。

そして、ここで多くの方の手が止まります。「書く時間がない」「文章が苦手」「私が書くと、学校の作文みたいに固くなる」。道具は揃ったのに、中身が書けなくて空っぽのまま。ページ作りの現場で、いちばんよく見る光景です。

上手な文章は、要らない

先に、目指す場所をはっきりさせておきます。ページの文章の役目は、上手であることではありません。あなたらしさが伝わることです。

想像してみてください。よそいきに整った、どこかで読んだような紹介文のお店。もうひとつは、少し不器用だけれど、その人の声が聞こえてくる文章のお店。初めてのお客様が「会ってみたい」と思うのは、後者です。お客様が会いに来るのは文豪ではなく、あなたなのですから。

実は、上手に書こうとするほど、あなたの声は消えていきます。難しい言葉を借りて、定型の挨拶をなぞって、誰が書いても同じ文章に近づいていく。苦手意識の正体は、たいてい「上手に書かなきゃ」の呪いです。

「整える」は、道具に手伝ってもらっていい

とはいえ、忙しい毎日の中で、ぜんぶの文章を自分の腕だけで書き続けるのは大変です。ここでひとつ、肩の力を抜く話をさせてください。

最近は、書いた言葉を読みやすく整えてくれる機能を持った道具が、ずいぶん増えてきました。文章を書くための道具にも、ページを作る道具にも、そうした機能がついているものがあります。文章が苦手なら、そういう機能のある道具を選ぶ。それは、決してズルではありません。字を書くのが得意でない人が、きれいな書体で印刷して手紙を届けるのと同じこと。伝えたいことを、伝わる形にするための工夫です。

大事なのは、どこまでを道具に任せるか、その線引きだと思います。あなたの中にある言葉や経験を引き出して、読みやすく整えてもらうのはいい。けれど、中身まで丸ごとこしらえてもらうと、そこにあなたがいなくなります。素材はあくまで、あなた。そこさえ守れば、手伝いはどれだけ借りてもかまいません。

たとえば「今日の生徒さん、3ヶ月かけて逆上がりができた。あきらめなかったのがえらい」という走り書き。この生の言葉の熱を消さずに、読みやすい形に整えてもらう。熱は、あなたにしか出せないのですから。

「私の言葉なんて」と思った方へ

ここまで読んで、「でも、私の話し言葉なんて大したことないし」と思った方がいたら、ひとつだけ実話ふうの例を。

ある教室のページで、いちばん反応が良かった一文は、練りに練ったキャッチコピーではありませんでした。「正直、最初の1ヶ月は楽しくないかもしれません。でも2ヶ月目に、急に音が揃う日が来ます」。先生がぽろっと話した、本音の一言です。

きれいな言葉は世の中に溢れていて、読み流されます。本音の言葉は、引っかかる。あなたが「大したことない」と思っているその言い回しこそ、他の誰にも書けない一文です。道具にできるのは整えることまで。引っかかりを作れるのは、あなただけなのです。

学びはひとつ。「まず、話すように書く」

きれいに書こうとしなくていいのです。目の前のお客様に話しかけるつもりで、思ったままを書きなぐる。整えるのは、道具に任せる。この分担ができた方から、発信は続くようになります。続けば、言葉は勝手に育ちます。

今日の一歩

いちばん伝えたいことを、話し言葉のまま5行だけ書いてみてください。「えっと」も「なんか」も、そのままでいい。その5行が、あなたのすべての原稿の種になります。

次回、いよいよ最終回。9つの道具が、実はひとつの物語だったという種明かしです。

M
Mirais チーム
発信・集客の担当
個人事業主の方の毎日の発信とお仕事を支える道具を作っています。
Mirais
あなたの想いを、言葉にする道具
発信が苦手でも、あなたの中にある言葉のままで届けられます。
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