ドメイン名は「住所」です。看板ではありません。
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「ドメイン名が決まらなくて、そこから進めていません」。ホームページのご相談で、本当によく伺う言葉です。お店の名前を入れるか、業種を入れるか。英語かローマ字か。考えはじめると、何週間も過ぎてしまう。
今日はこの悩みを、根っこからほどきます。
まず、話を2つに分けます
「名前が決まらない」と話される方のほとんどが、実は2つの別のものを1つにして悩んでいらっしゃいます。
ひとつは、お店の名前(サイト名)。これは看板です。お客様が覚えて、人に伝えて、検索してくださる言葉。ここは、こだわり抜いていい場所です。
もうひとつが、ドメイン名。URLに入る、あの英数字です。こちらは看板ではなく、住所です。
看板と住所。役目がまったく違うものを同じ机で一緒に悩むから、いつまでも決まらないのです。今日はこのうち、住所の話だけをします。
住所は、誰も暗記していない
思い出してみてください。よく行くお店の住所を、番地まで言えるでしょうか。言えなくても、迷わず通えていますよね。
ホームページも同じです。いまお客様は、検索から、SNSから、LINEのリンクから来てくださいます。アドレスバーに一文字ずつ打ち込んで来てくださる方は、ほとんどいません。つまりドメイン名は、覚えてもらうための言葉ではないのです。
では住所の役目は何か。2つだけです。
変わらないこと。そして、怪しくないこと。
引っ越しを繰り返すお店が信用を積めないように、URLが変わると、それまでの検索の実績も、貼っていただいたリンクも失われます(この話は次回、詳しくお話しします)。そして、見た瞬間にぎょっとするような長い綴りでさえなければ、住所としてはもう合格です。
ちなみに、一休.comの話
ここで、私の好きな逸話をひとつ。
日本の高級宿の予約といえば「一休.com」。一流のホテルや旅館を扱う、あの大きなサイトです。アドレスをよく見ると、ikkyu ではなく「ikyu.com」。「いっきゅう」の小さい「っ」が、抜けているのです。登録のときの手違いでそうなった、と言われています。
それでも、誰も困っていません。そもそも気づいていない方が大半だと思います。あれだけの規模のサイトが、惜しい綴りのまま長年、一流であり続けている。
住所とは、その程度のものなのです。
決めるときの基準は、3つだけ
だからドメイン名は、この3つで決めてしまってください。
- 短く、打ちやすく。声で伝えても書き取れる綴りに
- 一度決めたら、変えない。住所の値打ちは「変わらないこと」そのものだから
- 迷ったら、お店やご自分の名前のローマ字に「.com」。それで立派な住所です
ちなみに、なぜ「.com」なのか
3つ目に「迷ったら .com」と書きました。これにも、ちゃんと理由があります。
.com は、世界でいちばん長く、いちばん多く使われてきた綴りです。見た瞬間に「ふつうのサイトだ」と安心していただける。住所の役目のひとつは「怪しくないこと」でしたから、これが一番の理由です。
もうひとつ。人は綴りを思い出せないとき、とりあえず .com と打ちます。「.shop だったかしら、.net だったかしら」という迷いごと受け止めてくれるのが、定番の強さです。スマホのキーボードには「.com」の専用キーまで用意されているくらいです。
最後に、お金の話。流行の新しい綴りには、更新料が高いものや、あとから値上がりするものがあります。.com は昔から値段が落ち着いています。住所は何年も持ち続けるものですから、これも小さくない理由です。
では、.com が取られていたら
ここまで読んで「その .com が取れなかったんです」という方も、きっといらっしゃいます。それは自然なことです。世界でいちばん使われてきた綴りということは、世界中で早い者勝ちが何十年も続いてきたということ。短い英単語や有名な言葉は、とっくに埋まっています。
そのときの道は、2つあります。
ひとつは、綴りのほうを工夫すること。ここで朗報があります。日本語のローマ字は、世界ではあまり競争相手がいません。flower や beauty のような英単語はまず空いていませんが、日本語の言葉をローマ字にした綴りなら、意外なほど取れます。屋号の読みをそのまま。あるいは屋号に、土地の名前や「salon」のような言葉をひとつ添えて。それで .com が空いていれば、一番の形です。
もうひとつは、綴りはそのままに、後ろを「.jp」にすること。.jp は日本に住所がないと持てない綴りで、それがそのまま信頼感になっています。日本のお客様に向けたお仕事なら、.com に見劣りしません。惜しいのは、更新費が .com より高めなこと。それでも「怪しまれない」という住所のいちばんの役目は、しっかり果たしてくれます。
順番にすると、こうです。まず屋号のローマ字で .com を探す。取られていたら、綴りを少し工夫してもう一度。それでも難しければ、.jp。ここまで来れば、必ず決まります。
看板は磨く。住所は決めるだけ
こだわる価値があるのは、お店の名前と、ページの中の言葉のほうです。そこはあなたにしか磨けません。住所は今日決めて、明日からは看板を磨く時間にあててください。
何週間も止まっていたその一歩を、今日ふみ出せますように。